ヒラリー・ハーン ヴァイオリンリサイタル

1月11日(日)

ヒラリー・ハーン ヴァイオリンリサイタル_e0058731_0283134.jpg今年もヒラリーが名古屋に来てくれた。ヒラリーという名の女性は、頭がいいのだろうか。どこかの政治家もすこぶる優秀で、もう少しで大統領にもなろうかというところだったが。






こちらのヒラリーもしかり。もちろん、ヴァイオリンに関しては天才だが、それだけではなく、とにかく勉強がすきなようで、英語の他にドイツ語、フランス語はもちろん、日本語も勉強しているらしい。そういえば、アンコール曲はいつも日本語で紹介する。

そして、CDのライナーノーツには、その曲について必ず自身の文章を載せている。

かと言って、がちがちの堅物かと言うとそうではない。スカパーで放映されたポートレートを観ると、とてもおちゃめなどこにでもいるヤンキー娘という感じだ。

その彼女がひとたびヴァイオリンを鳴らすと、私たちは言葉を失い、ただただ彼女が織りなす音楽の世界に浸るのみ。

今回のプログラムも、彼女らしいこだわりが感じられるラインナップだった。今日のパートナーはヴァレンティーナ・リシッツァ。いつも同じ年頃の女性をパートナーに選ぶのは、曲の解釈について自由に意見をぶつけあえる相手と組みたいからだろうか。

イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第4番 ホ短調、アイヴズ:ヴァイオリン・ソナタ 第4番「キャンプの集いの子どもの日」、ブラームス:ハンガリー舞曲集より、アイヴズ:ヴァイオリン・ソナタ 第2番、イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第6番 ホ長調、イザイ:子どもの夢、アイヴズ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番、バルトーク:ルーマニア民俗舞曲集、(アンコールはパガニーニ:カンタービレ、ブラームス:ハンガリー舞曲 第5番

彼女は、常々アメリカの作曲家の曲を大切にしたいと言っているようだが、今日のアイヴズは、これまでその名前を聞いたこともない作曲家だった。(勉強不足)そして、演奏会で演奏されることはあまりないと思うが、その4曲のヴァイオリン・ソナタの3曲を演奏するという、もう二度と聴けないだろうというプログラムだった。

一言で言うと、なんとも不思議な雰囲気の音楽だった。なんでも、父親に負けず劣らず彼自身もかなりの奇人変人だったらしいが。

イザイも初めて聴いた。なんというか、無伴奏って、やっぱりいい。この日に間に合うように、評価の高いクレーメルでCDを注文したが、残念ながら間に合わなかった。

ヒラリー・ハーン。まだ、年若いこの女性ヴァイオリニストが、これからさらに進化して行くと思うと、目が離せない。幸せなことに、名古屋へはよく来てくれるのでうれしい。もう2回サインをもらっているので、今回はもらわなかったが、必ずサイン会をするファンサービスも忘れない。

帰宅してから、グラミー賞を取っているCDを始め、5枚のCDを注文した。聴くのが楽しみだ。

ランチをはさんで、弦の魅力を堪能した一日だった。
by KIMUKIMULIFE | 2009-01-13 00:28 | クラシック
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