第13回チャイコフスキー国際コンクール 入賞者ガラコンサート

1月30日(水)

第13回チャイコフスキー国際コンクール 入賞者ガラコンサート_e0058731_23552368.jpg昨年、5年ぶりに行われた第13回チャイコフスキーコンクールの入賞者ガラコンサートに行った。



5年前にも行ったが、その時は、ピアノ部門の第一位の上原彩子とヴァイオリン部門の一位なしの第二位の川久保賜紀がいた。そのときは、やはり上原さんが「さすが!」という演奏だったが、川久保さんの「一位なしの二位」という意味がよく理解できなかったものだ。

しかし、今回の神尾真由子の演奏を聴き、なんとなく納得した。一位に相応しい人というのは、そうはいないのだ。そして、神尾真由子は、やはり一位になった人だった。受けたインパクトが川久保さんのときとは次元が違った。

ミドリとも紗矢香ちゃんとも、そしてやはりチャイコフスキーコンクールで第一位になった私の大好きな諏訪内さんとも違う。神尾真由子の音楽が確かにそこにあった。

聴く者を釘付けにするそのパッション。全身全霊で演奏するその姿にその音にみな忘我の境地にさせられてしまう。すごい人が出て来たものである。

実は、お正月にテレビで彼女のドキュメンタリーをやっていたが、そのときのインタビューへの受け答えが、なんかいちいちひっかかるというか、素直じゃないというか、そんなものを感じていたのだが、そう、野球で言えばイチロー、サッカーなら中田のような。大物とはそういうものか。その時の印象から、なんとなくもっとクールな演奏をする人かと思っていたら、みごとに予想をひっくりかえされた。

ちょうど、今(2/9)BShで記念演奏会をやっている。生で聴いたチャイコフスキーも凄かったが、シベリウスも凄い!

なお、この日のプログラムは当然ながら、全曲チャイコフスキーで、神尾さんがヴァイオリン協奏曲。ピアノは、一位なしの第二位のミロスラフ・クルティシェフ(ロシア)がピアノ協奏曲第一番。チェロは、第一位のセルゲイ・アントノフ(ロシア)がロココ風の主題による変奏曲。あと、声楽のバスとメゾソプラノが出た。

アンコールに神尾さんの出番がなかったのが、残念だった。
by kimukimulife | 2008-01-30 23:50 | クラシック
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