コバケンのブラームス

4月2日(日)

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コバケン・スペシャルの「マイ・フェイヴァリット・ナンバ−4」は、ブラームス。
大好きなブラームスとあっては、聴かずにおられない。
しかもプログラムは、お気に入りの
ピアノ協奏曲第1番ニ短調と、
交響曲第4番・・・いわゆるブラ4である。






ピアノコンチェルトのソリストは、清水和音さん。
いかにも、音楽家の両親の間に生まれ、ピアニストになることを決定づけられていたかのような名前である(本当はどうかは、知らないが)

この曲は、完成されるまでに、いろいろな変遷をたどった曲として有名である。
もともとは、「2台のピアノのためのソナタ」として作曲されたものが、いろいろな経緯の末、現在のような形になった。初演は、ブラームス自身のピアノで演奏されたが、評価は必ずしも高くはなかったということだ。

でも、私は大好き。特に、ヴァイオリンとチェロが壮大かつ劇的な第1主題を奏でた後に出る、ピアノの切なく、もの悲しい第2主題のメロディが、胸をしめつける。思わず、涙が出るほどだ。
第3楽章冒頭の主題も好きな部分。

ブラームスのピアノコンチェルトはもう一つ、第2番があって、どちらかというと、そちらの方が好きだが、この曲も交響曲のような重厚感があって、好きだ。

ブラームスは、ベートーベンを意識するあまり、なかなか交響曲が作れなかったというのは有名な話だが、4曲ある交響曲のうち、私はこの最後の4番が最も好きだ。
私の音楽の師匠は、文句なく1番がいい、と言う。確かに1番に脈打つ若々しい魅力はないが、そこには、人生の終盤にさしかかった作曲家の寂寥感、孤独感といったものが感じられ、ペシミストの私にはグッとくるものがあるのだろう。

今日の収穫は、指揮者の解説で、第4楽章に使われている「パッサカリアの手法」とうものの意味がやっとわかった、ということ。リズム的変化を持たない単純な8つの音からなる音階的主題をもとにして、31の変奏が行われるのだが、指を折りながら数えていると、なるほど、その8つの音階を聴き取ることができる。
それにしても、たった8つの音の並びを、このように次々と変化させ、壮大な一つのまとまりを持った曲に仕上げているブラームス。この最終楽章を聴いていて、これはあたかも、「愛」とか、「徳」とか、「真」とか、そういった、人が生きて行くためにはずせないいくつかの要素を、様々な形に変化させ、人生を構築していくさまのようではないか、、、

などと、柄にもなく、哲学的なことを考えていたキムでした。
by kimukimulife | 2006-04-02 23:22 | クラシック
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